珈琲豆は農産物なので、当然豆によって出来不出来があります。
豆の生産地は世界中に分布していますが、
途上国で生産されることが多いので中には生産管理状態があまりよくない所もありますし、
生産物の厳密な選別、精製をする能力に欠けるところもあります。
珈琲豆が袋詰めになって輸入された時点で生産地で規定する品質基準をクリアしていたとしてもやはり不純物は混入しています。
(不純物とは、われ豆、虫食い豆、発酵した豆、未成熟な豆、を指します。)
しかし、多くの珈琲店では輸入した豆をそのまま、 選別することなく焙煎してしまいます。
なぜなら手間はかかるし、不純物を取り除くことでロスが生じ、製造コストが上がってしまうからです。
大手の焙煎業者になるほどこの傾向は強まります。
しかし、本当はそれではいけないのです。
なぜなら不純物が一粒でも入ってしまうと、その他の全ての豆の味を壊してしまうからです。
昔の人は赤飯を炊くときに小豆を一粒一粒寄りました。
いい豆しか使わない、
ということは基本中の基本なのです。
しかし残念なことに多くの珈琲店はその基本に対してあまりに大雑把です。
豆の選別をするときに平均して全体の2~3割の豆を不純物として取り除きます。
多いときは、全体の40パーセントも取り除きます。
1キロの豆のうち、実に400グラムも捨てるのです。
それでも、おいしいものをご提供するためにその手間、ロスを惜しむことはできません。
ベルニーニの豆をよくご覧になれば、気づかれると思います。
豆の粒がきれいに揃ってます。
割れた豆など入っていません。
煎りムラの入ったものもありません。
一粒一粒吟味して選別しています。
取り除くのは不純物だけではありません。
標準より大きい豆、小さい豆が入っていてもいけないのです。
焙煎するときに小さい豆が入っていたら、その豆だけ火が入りすぎてしまう。
一粒でも火が入りすぎてはいけないのです。
ベルニーニでは焙煎したあとで再度ハンドピックをしています。
手間をかけてダブルチェックをしています。
本当においしい珈琲を提供するためには、そこまで徹底的にやらなければなりません。
しかし、このことは実は当たり前のことなのです。
誇らしげに言うことではないのです。